メンタルとフィジカルの境界線はどこ?~前編|生物学的視点からの答え~

月刊ごっどて~る7

イヌに“心(=メンタル)”はあるだろうか?

 

静岡の実家に溺愛中のトイプードル(モアナちゃん♡)がいる私にとって、イヌに心がないとは到底思えないし、思いたくもない。

 

ちなみに、私たちホモサピエンスのいとこであるチンパンジー(霊長目)には、それがあると研究によって証明されている。

では、もう少し遠い親戚のライオンやカンガルー(哺乳類)に、心は存在すると証明できるだろうか?

(イヌもここに含まれる)

 

もっと遠いハトやワニやカエル(四肢動物)には?

 

もっともっと遠いサケやマグロ(脊椎動物)には?

 

さらにさらに遠いカブトムシやムカデ(左右相称動物)には?

 

さらにさらに、さら~に遠いサンゴやヒトデ(動物界)には?

 

何十億年前の親戚であるチューリップやヒノキ(真核生物ドメイン)には?

 

もはや共通点すら見つからなそうだが、最も遠い親戚のうちの一つである大腸菌(生き物)には?

 

ここまでくるとスピリチュアルな世界だが、小石(無生物含めた全ての物質)にはどうだろう?

 

というか、そもそも“心”って何なんだ?

 

さて、少々前置きが長くなったが、今回の記事では「メンタルとフィジカルの境界線」をテーマに、私の考えを綴っていくとしよう。

 

ところで、メンタルとフィジカルという用語が持つ意味とは何だろうか?

 

メンタル=心・精神的な領域

フィジカル=肉体・身体構造的な領域

 

一般的に、メンタルとフィジカルはこう定義して問題はないと思われるし、ネットで検索してもそう定義付けられている。

 

これを踏まえてまずは、メンタル、、つまり感情・感覚・感性などの精神的な領域がどのように生み出されているのか考えてみたい。

 

といってもこの答えは、埋まることのないであろう大きな溝によって2つに分断されていて、科学界でも共通の見解に至っていないのが現状だ。

 

すなわち、脳をはじめとする神経的な要素から生まれているという生物学的な視点からの考えと、観察不可能で目には見えない“何か”から生まれているというスピリチュアル的な視点からの考えである。

 

もし後者(スピリチュアル論)の考えを採用する場合、フィジカルとメンタルの境界線について論じる意味は皆無になってしまうので(可能性の話しにしかならない…)、今回は前者(生物学論)の考えを採用して話しを進めることにする。

(この点は非常に重要なので、また後に振り返ることになる)

 

したがってメンタルとは、ニューロン(=脳神経細胞)と神経線維とシナプスと、それらを介した電気信号の相互作用の結果から生み出されている!と結論付けて差し支えない。

 

少し急ぎ足ではあったが、メンタルとは何か?どこから生まれているのか?が分かったところで、早速、メンタルとフィジカルの境界線を引いていこう。

 

これを試みる場合、冒頭で記した生き物たちのリストが役に立つ。

 

上記生き物リストは上から順番に、私たちホモサピエンスから系統樹的に近縁の種に属する生き物たちだ。

※ホモサピエンスの系統樹:(生命体)→(真核生物ドメイン)→(動物界)→(左右相称動物)→(脊椎動物)→(四肢動物)→(哺乳類)→(霊長目)→(ホモ属)→(ホモサピエンス)

 

ここで一つ明らかなのは、全生物にとってフィジカルは必須だということ。

(これは無生物にも言える?)

 

なぜなら、構造的基盤がない生物などこの世に存在しないのだから。

(たとえ顕微鏡を使わないと見えないぐらい小さくても!)

 

ということは、メンタルとはフィジカル(=構造的基盤)な要素に、進化の過程を通じて後から追加された“機能”であることがわかる。

 

したがって進化の系統樹の、どのあたりから精神活動を生み出す神経的な構造が組み込まれたのかを探せば、何か手掛かりが見つかるかもしれない。

 

そしてその手掛かりは、、、実は正確にはわからない!

 

植物に神経的な基盤がないことは明らかにされていて、その理由はセルロースにある。

(セルロースの硬い繊維質のせいで、細胞が神経線維を伸ばせないからだ)

 

また動物界にも、神経的な基盤や、筋肉すら持たない変わり者もいる。

(例えばカイメン)

 

おそらく、進化の形態は多様なので、きっぱりと決め込むことはできないのだろう。

 

だが私がここでお伝えしたいのは、メンタルとフィジカルの境界線をはっきりここだ!と明記することではない、と強調しておきたい。

(それがテーマだったはずなのに?w)

 

最も重要なのは、メンタルとは私たち(を含めたより高等で複雑な動物)が進化の過程のどこかの時点で手に入れた、生きて、生き残るために必要な“機能”であり、その機能は、脳神経系の“構造的基盤(=フィジカル)”から生み出されているという事実の方だ。

 

つまり、メンタルとフィジカルは、対比する要素としては不適格であって、メンタルとフィジカルの境界線はどこなのか?という質問自体がナンセンスといえよう。

 

メンタルとフィジカルの間にあるのは、お互いの関係性だけなのだ。

 

さて、かなり核心に近づいてきているが、これを書いている私も深みにはまりつつあることを白状しなければならないだろう。

 

その結果、読者の皆さんは混乱させてしまったかもしれない。

 

だが安心してくれていい。

 

次回後編では、ここまでの内容を踏まえて、いたってシンプルで、かつ明快な提案をしていくので。

 

メンタルとフィジカルの関係性を知ることで、改めた方が良いと思われる誤った考え方とはいったい何なのか?

 

メンタルの問題を解決するのに、果たして“カウンセリング”だけで十分なのか?

 

乞うご期待!!

※こちらの記事は神尾が連載している有料マガジン[月刊ごっどて~る]の2019年7月10日に配信した内容の全文です。この続きを読みたい方は、下記URLから定期購読(月額500円)の手続きをよろしくお願いいたします☆

 



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